1‐3章──王都ラグネルナ

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「あ~セレナ、最初に言っておくが、途中まで大体の状況は見ていたから状況は把握しているぞ」 「この女の知り合いか?」 「そんな奴……アタシは知ら──」 「ピンポーン」 「身も蓋も無い事を言うな!!」  咄嗟に庇おうと他人のフリをするように心掛けたが、ヴェリウスの一言で全てが無意味となった。 「ちなみに言っておくが、その子は私の未来の嫁で、暗い所であんな事やこんな事を──」 「誤解を招く事を言わないで貰えますか!?」  頭を押さえ込まれながらも、ヴェリウスの誤解を招きそうな発言に、セレナは全力でツッコミを入れた。  確かに暗い所には行ったものの、間違っても、あんな事やこんな事をされるのは未然に防いでいたのでされてはいない。 「そうか……ならあの兵士から聞いた男とはお前の事か」 「あらら、バレちゃってる? しかし私からすれば、君達政府はもっと対人マナーを身に付けるべきだと言っておこうか?」 「そうだな。忠告のお礼に悪を庇ったお前を牢屋に案内してやろう」 「おやおや、嫌なお礼だな。……まあ良いさ、もうラグネルナに用も無くなったしな」
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