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「シン!? まさかコイツも!?」
「まさかあれだけで気付くとはな……私のシンは1クラスの“槍化”(ランサー)だ。手足や指と言った、体の一部を槍のように鋭利化、鋼のような強度を保てるシンだ。まあ、槍化出来る部分にも限りがあるがな」
アノンはそう言うと、自身の両手を見せ、全ての指を槍のように尖らせて見せた。
先程の手刀突きが異様な威力を誇ったのは、手を鋭利化させたからだろう。
「やれやれ……まさかこの場に異能力者がこんなにいるとはな」
ヴェリウスはこの珍しい状況に、思わず愚痴っていたが、アノンはお構い無しにヴェリウスとの間合いを狭めて攻撃を開始した。
槍化(ランサー)の能力で攻撃の一つ一つが桁違いの攻撃力なので、ヴェリウスは回避に専念して、アノンの攻撃をことごとく回避した。
アノンの力を溜めた大振りの攻撃を避けたヴェリウスは、アノンの顔面に膝蹴りを入れようとするも、アノンはもう片手の鋭利化した指を向けた為、ヴェリウスは蹴りを寸前で止めて、大きく後方に下がった。
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