228人が本棚に入れています
本棚に追加
「まさかお前までもが異能力者だとはな……!!」
「結構強めに撃ったのだがな……タフな男だ」
額から若干、血を流しながらも、案外平気そうにしているアノンを見て、ヴェリウスは感心すると同時に、少し呆れていた。
「しかしあの程度の爆風ではこの程度か。なら──」
ヴェリウスは遂に背中の大剣を引き抜いて、刃先をアノンに向けるように構えた。
「次は大砲でも撃ち込むか」
ヴェリウスが刃先を向けた直後、アノンは高速でヴェリウスの所まで移動し、周りをジグザグに動いて、自身の狙いを定め難くした。
止まっている物や正面から突っ込む物を撃つのは簡単だが、素早く動き回る相手を撃つのは非常に難しいのは当然である。
「一つだけ忠告しておこう……無駄だから止めておけとな」
「ほざけ!」
アノンが一瞬で背後に回り込んだ時、ヴェリウスは──
「言っただろう? 無駄だとな」
背後に回り込んでいたアノンに、既に刃先を向けていた。
アノンがそれに気付いた時には既に遅く、アノンがその場を離れようとした時には、先程とは比べ物にならない爆風が発生して、アノンを遥か後方の建物まで吹き飛ばし、まるで大砲を撃ち込んだような爆風が起こって、建物に大きな風穴を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!