1‐3章──王都ラグネルナ

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「少しやり過ぎたな……まあ、あの程度では死なないだろう」  ヴェリウスは大剣を背負い、用済みのようにその場を立ち去ろうとしたが、咄嗟にセレナが声を上げて制止させ、ヴェリウスは立ち止まった。 「何のつもりよ……! アタシを助けたつもり!?」 「別に。ただ私は自分の正しいと思った事をしたまでだ。それに、もうラグネルナは用済みだからな」 「…………」  ヴェリウスが普通に答えた言葉に、セレナは無言でムスッとした表情でヴェリウスを見ていた。 「……納得いかない」 「…………」 「納得いかない! 何でアタシが借りばっかり作らないといけないのよ!!」 「はい? 借りと言っても今のは──」 「うるさい!!」 「逆ギレ!?」  ヴェリウスの言葉を遮るようにセレナの怒声がそれをかき消し、ヴェリウスの意見をお構い無しにセレナは続けた。 「いい、アタシは借りを作りっぱなしなのが嫌いなの。変態に借りを作ったままとか虫酸が走るわ」 「ん~、仕方が無いな……じゃあ私とあ──」 「無論、そっち方面の事は即座に却下」 「まだ“あ”しか言ってませんよねぇ!?」 「なら、“あんな事やこんな事”以外で何を言うつもりだったのよ?」 「…………」 「黙るな!? てか図星か!!」  セレナの予想が的中したらしく、ヴェリウスは汗だくで黙り込んでしまい、セレナのキツいツッコミを受けた。  助けられた側にも関わらず、先程から怒鳴ってばかりのセレナも問題だが、常に危ない事を考えるヴェリウスもかなり問題である。
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