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「それで……何で私が追いかけられてたのか、気になる?気になるよね?」
多分、生徒会に勧誘されてたんだろうな。もうすぐ生徒会長選挙だし。克己の彼女は現生徒会長だし。
でも、興味津々なフリして一応頷いてみる。
「実はウチね、次の生徒会長になれって言われとるんよ」
あれ?なんだか喋り方が変わってるような。
「でも、いきなり生徒会長なんてできるわけないやん?いくら幸にぃの妹だからって、幸にぃと同じように生徒会長こなせるとは限らんやん?」
僕は相づちを打つ。
確かにあの小西幸人の妹ってだけで生徒会長選挙は楽勝だろうけど、だからって生徒会長が誰にでもこなせる仕事とは思えない。
ていうか、幸にぃって呼ばれてるんだ……羨ましい。
「確かに、幸にぃみたいに学園を盛り上げられたらって思うけど、初めての生徒会で一年生からいきなり生徒会長は無謀過ぎると思うんよ」
「なら、やらなければいい」
簡単なことだ。
やれる自信がなきゃ、やらなければいいだけのこと。
「あ、やっぱそう思う?そうやんね!ウチがやる気ないんなら、やらんければいいだけの話やんね!?」
なんだか梓ちゃんの中で答えが出たらしい。
それにしても可愛いなぁ。
これが世に言う一目惚れってやつなんだろうな。
「なんかウチ、吹っ切れた気がする!ありがとう、外山先輩!」
確か僕、一言くらいしか喋ってない気がするんだけど……ま、梓ちゃんが喜んでるんなら僕は幸せ世界は平和だ。
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