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「あ、そうだ。なんかお礼せんと。あとぶつかったお詫びも。ねぇ、外山先輩。何か、ウチにして欲しいことない?」
おお、なんと嬉しいお言葉だろう。
攻めるならここだ!いくなら今しかない!
「じゃあ『響くん』ってよんでくれる?」
一瞬にして、梓ちゃんの顔が赤くなるのが分かった。
まずいな、可愛すぎる。
これが……恋か!
「あと……僕とつきあってほしい」
あぁ、言っちゃった。
「へ……ふぇっ!?」
流石にこのお願いは予想してなかったんだろうな。
顔が赤いという言葉だけじゃ言い表せないくらい顔が赤くなってるよ。
可愛すぎるなもう。
いいやこの際、フラれてしまっても。
この照れ顔が見れただけで僕は大満足です。
「え、えとその……つきあうってのは……あの、お付き合い……するということで?」
今はフラれたとしても、僕の気持ちを分かってもらえればいいんだ。
後に好機は訪れるかもしれない。
僕は深く頷いた。
「つまり……ウチの、彼氏になりたいって……こと?」
「好きなんだ。つきあってほしい」
真っ赤な顔をした天使に、僕はもう一度深く頷いてから改めて告白した。
本気だってことだけは、分かって欲しい。
暫くの沈黙の後、彼女は若干視線を下に向けながら口を開いた。
「いい……よ」
「へ?」
思わず訊き返してしまった。
こんな僕だけど、一応常識というものは心得てる。
自分がどれだけブッ飛んだ告白をしたのか、十分に分かってるつもりだ。
「あ、いや……えっと、まだ早い」
「う、うん?」
「考えとくから、今のところはまだ保留……ね」
「うん……わかった」
やっぱりそうか。
でも、十分に脈はあるらしい。これから頑張らないと。
この日から、僕のちょっと薄暗かった人生はかなり薔薇色に染まっていく。
この日は僕の人生の中で最良の日だ。
何十年先の僕に訊いても、絶対にそう答えるだろう。
だって、こんな素敵な女の子と出逢えたのだから。
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