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「うっ、うっ……ずっと我慢しようと頑張ってたんだけど……ダメなんです……わたし、どうしちゃったんだろう……」
奈緒の鼻がつまったような涙声がやたらと色っぽい。
苦悶する奈緒を尻目にちょっと欲情してしまったのは、いささか不謹慎だったかな……。
「奈緒の恋愛っていうのは、体の快楽がメインなんだね。なんか不潔!」
モモがいじめっ子の顔で追い討ちをかける。
そこまで言わなくてもいいのでは……。
モモという人間は時々ひどく残酷になる。
「そ、そんなこと……」
奈緒はそう言いかけて、言葉を飲んだ。
なにしろオナニーをしていたのは事実なのだから、何を言っても説得力がないことに気づいたのだろう。
「ほーら!」
すっかり邪悪モードに染まったのモモが奈緒の顔を強引に上げさせて、携帯におさめたあの少年の写真をちらつかせた。
「あ……あはぁぁ……」
奈緒の股間からびしょびしょしたものが溢れた。
パブロフの犬の仲間だな。
「おい、モモ、猫川さんで遊ぶな!」
見かねて、たしなめた。
「あははは、昔あたしを感じさせてヌレヌレにしたから復讐だよー! でも、こんなにはしたない子になっちゃうぐらい好きだってことはよぉくわかった! よーし、その恋、あたしが叶えてあげる♪」
モモは瞬時に慈母みたいな顔になって、泣きじゃくっている奈緒の頭と背中を小児やペットに接するように撫でさすった。
声も表情も、目まぐるしい奴だ。
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