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「ほんとですか!?」
奈緒は涙と鼻水でぐじゅぐじゅになった顔をぱっと上げた。
せっかくの美貌も台無しなのだろうな、と思って見たが、これはこれでしみじみとした美しさが漂っていた。
本当に美しい人というのは鼻水顔も美しいんだな、とつくづく思った。
それはさておき。
いろいろひどいことを言われても、やはり奈緒はいざとなればモモを頼りにするんだな。
立場が逆だとしたら、たぶんモモも奈緒を頼ると思う。
良きライバルとして熾烈な死闘を繰り広げてきた歴史が培った、互いの能力に対する絶対的な信頼関係だ。
認め合える相手を持っているモモと奈緒が、ちょっと、いや、かなりうらやましい。
奈緒はもう泣き止んでいるのみならず、希望の光さえ瞳に宿しているではないか。
「モモ様が味方してくれるなら百人力ですっ! でも、どうやって叶えてくれるんですか?」
「えへへ、あたしにすごい名案があるのだっ!」
モモがやたらと自信あり気に言った。
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