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記念すべき初対面の場所としてここを選んだのは、ユウキくんだ。
「僕、なーにゃんさんが通っている高校に入ってみたい。なーにゃんさんの日常をできるだけいっぱい体感して、なーにゃんさんを貪欲なまでに深く知る一助にしたいから」
その言葉に奈緒は感激し、己が在籍している高校にこれからエロい付き合いを始めようという相手、しかも男子中学生を立ち入らせるという暴挙を行なう上で予測し得るさまざまな危険をものともせず、奈緒も快く了承したというわけだ。
そして、その危険というやつの中でも真っ先に考えられるものは、とりもなおさず、モモやら俺やらに覗かれる、というやつだ。
そして、その法則に従うごとくモモと俺は屋上の貯水タンクの陰に隠れて、モモが言うところの「奈緒の保護者的役割」を果たそうとしていた。
ここでいう保護者とは、エッチな行為に目を光らせて爪を立てる立場にある者ではなく、被保護者の性的な事象も含めた幸せを見届ける義務を有する者のことである。
俺自身の名誉のために一言付記させていただくが、俺がここにいるのは、面白いことを覗かないなんて愚の骨頂とばかりにモモに無理矢理連行されてきたからであって、本来の俺にはいちいち他人の恋路を覗くような悪趣味などないからね。
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