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キッチンで紅茶を入れ直す志保は浮かない顔をしていた…
こぽこぽ…
「──いいのかね、志保君…」
「博士…頼まれた暗号、出来たのかしら?」
「うッ…いや、まだじゃが…そうじゃなくて、せめて君の正体だけでも歩美君に伝えても──」
「馬鹿ね…そんなことをしたら、すぐに工藤君が江戸川コナンであることに気がつくわ…」
「じゃがのォ…」
コト…
「私だって…出来ることなら打ち明けたいわ、でも…それはあの子にとって辛い結果になる…」
「新一のことか…」
「まさか少年探偵団だったあの子が、本物の探偵になるなんてね…正体がバレるのも時間の問題でしょうけど…」
「時間の問題って…じゃったら教えてあげてもよかろうに…」
「探偵なら、探偵らしく、自らの手で解決してみるものじゃない?それに…今の彼女の目、工藤君の若い頃にそっくりよ…」
「もしも、歩美君が真実を知ってしまったら、どうするつもりなんじゃ?」
「さぁ…」
「え?さ、さぁ…って!」
ピンポーン…
「博士、暗号…」
「わ、わかっとるわい!ワ、ワシに任せなさい!」
「言ったわね…」
「ぅ…も、もう少しだけ時間をくれんかの…」
「仕方ないわね…」
志保は呆れながらも微笑んだ…
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