彼は美少年。

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私は河野絢-カワノアヤ-17才。 たまに22才になったりするけど、それは気にしないでちょうだい。 ちょっと私のお仕事的に未成年じゃヤバいだけだから。 あ、本職は一部の人達には大人気の女子高生ってヤツね。 ふっここでミニスカルーズソックス想像した人! 残念! 私は膝丈紺ソだから! 形容詞は“地味”だから! 満員電車で通学して約一年。 この容姿のおかげか、一度も痴漢にあったことがない。 これは誇るべきステータスだよね!そうだよね! 「絢ーッ何ぼうっとしてるの、電車遅れるわよ!」 「はーい」 ウルサいなぁ。 徹夜三日目でこちとらどキツいいんだよ。 と内心キレながら、お母さんをこれ以上怒らせないように元気よく返事。 制服のネクタイを適当に結び、鏡も見ずに玄関から飛び出した。 只今7時37分。 間に合う。 学校指定のローファーをカツカツ鳴らしながら、腕時計のさす時刻を見て小さく笑んだ。
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