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私の家から10歩先。
そびえ立つ高い壁に守られた豪邸の前で立ち止まる。
それから1分もたたない内に、慌てて出てきた涎ものの美少年。
「おはよう祐ちゃん」
「おはよ、絢ちゃん!」
私の中で飛びっきりの笑顔で挨拶すれば、それはもう、だれしもがどろどろにとろけてしまうような甘ったるい笑顔で挨拶を返してくれる祐ちゃん。
「あ、絢ちゃんネクタイ曲がってるよ」
「あーまたかぁ祐ちゃんいつもごめんね」
絢ちゃんはしょうがないなぁ
なんて言って、楽しそうに私のネクタイを結び直す祐ちゃんに、ワザとですから。
なんてニヤけながら、祐ちゃんの白くて細い指が、私のネクタイを器用に結び直すのを見つめる。
「ありがと、」
「ふふ、絢ちゃんは可愛いね」
「いや、あんたにだけは言われたくねぇや受け顔。」
「………へ?」
何か言った?
と首をコテン、と傾げた祐ちゃんに、遅刻するよ!と、声をかければ、急ご!と私を急かした。
私のお隣さんの可愛い可愛い長男坊、姫野祐介-ヒメノユウスケ-通称祐ちゃんは、
どう見たって中学生にしか見えない、社会人五年目の27才の受け顔美少年です。
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