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「河野さぁん、これ、やっててくれなぁい?」
香水をプンプン香らせながら、メイクバッチリな顔で私にノート押し付けてきたのは、このクラス、と言うか、この学年でもリーダー格の女の子達。
仮眠したかったが、それを断れば、次の展開が見えてるため、笑顔でわかった、とゴテゴテと飾りつけられたノートを受け取る。
「きゃあん、河野さんいっつもありがとぉ」
「超感謝ーッ」
「河野さん大好きぃ」
てめぇらに大好きぃ(はぁとまぁく)なんて言われたって嬉しくも何ともねぇよ。
そう毒づきながらも、顔には絶やさず笑顔を浮かべる。
影でお前らが私のこと“地味ブス”って言ってること知ってんだからな、バーカ。
「ねぇ、良いの?ソレ」
積み重なるノートをパラパラと開き問題を解き始めた私に、ミキが不快そうに尋ねた。
これだって毎朝のことなのに、毎回ミキは尋ねてくる。
良く飽きないもんだ。
「別に。断るのも面倒だし?良いんじゃない?泣くのは私じゃあないもん」
ただ、睡眠取れないのはムカつくけど。
だから、私完徹三日目なんだって。
寝かせろっつの。
ふぁ、と欠伸をしながら、とっとと片付けるためにもシャーペンを持つ手を速めた
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