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全然大丈夫。
言いたかったけど、
噎せ込んでしまった。
「また悪い事を…。」
宗弥が背中をさすってくれる。
「だ、大丈夫。
宗弥はおれを殺せないもん。」
冗談っぽく言ったら、
宗弥は俯いてしまった。
「私は、柚和を
殺してしまうのか?」
「…さあね。」
「柚和、私が嫌いか?」
次はおれが
イライラする番だった。
「そんな訳ないだろ!!」
抱きしめてくれていた
宗弥を突き飛ばし、
おれは立ち上がった。
「すまない。」
「何だよ、すまないって。
解って言ってんのか!?
それしか言わねぇじゃねぇか!!
ふざけんなよ!!
おれが宗弥を愛してるの、
判んねえのかよ!?」
宗弥を見下ろしながら
そうまくし立てると、
風船から空気が抜ける
みたいに、おれはその場に
へたり込んだ。
「うぅ…。」
言いたい事を叫んだ後
おれは何故か涙が出てくる。
そのままうずくまると、
頬を伝って涙が零れた。
「柚和、愛してる。」
宗弥が優しく耳の近くで囁く。
囁かれると、おれは弱い。
何時もと違う風に
言葉が聞こえるから。
宗弥の口元が緩んでるのを
想像して、キスを
したくなるから。
顔を上げると、やっぱり
キスをされる。
「ん。しゅう…や。」
宗弥の唇は唇から首に
滑るように移動する。
押し倒されながら、
くすぐったくてしょうがない。
「待ってたのか。
されるのを。」
耳朶を薄い唇で甘噛みされ、
足を捩ると、
服の中に手を侵入させてきた。
「あ…っ。」
おれが小さく声を出すと、
宗弥は満足気に
舌なめずりをする。
かなり興奮してるみたいだ。
舌なめずりは、
興奮している証拠。
「寝てたのも、そのまま
行為に及ぶ為か?」
「駄目…だった?」
小首を傾げると、
濡れた頬に口付けられる。
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