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祖父と祖母は、お見合いで結婚したようです。
昭和の初め頃の事。
跡取りの男児が産まれず、曾祖母には頭が上がらなかったのではないでしょうか。
戦後間もなく、男の子では無かったけれど、長女が誕生したときには、未だ見ぬ男児を思いつつ、跡取りとして厳しく行儀作法をしつけました。
敬うべき子供に敬子と名付けました。
二年後、二人目の子供を授かった。
…また女児だった。
三年後、三人目の子供を授かった。
またまた女児。
男児を思う千夜、千夜子と名付けました。
それを聞いた祖父の兄弟は、
「うちは子供に恵まれなくて。一人養子に貰いたい。…三人も子供が居るんだから良いだろ?」
いくら男児では無いと言っても、可愛い娘達です。
しかし、子供が出来ない兄弟も可哀想…泣く泣く次女を養子に出したそうです。
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