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「ほらっ、そんなとこにいつまでもつっ立ってないで、書類の整理でもしたら?」
たった今起こった重大な事件を知らない佐々木さんは、俺にそんな言葉をなげつける。
くっ…
しかたなく俺は君に、心の中で小さな別れをつげ、自分の席についた。
書類の整理をしている中、ふと君のほうに目がいった。
いない!
床にいたはずの君がいないのだ!
と…
あせったものの、君は30センチほどずれた場所にいた。
エアコンの風にでも飛ばされたのであろうか。
そこで俺は、確信した。
君はまだ必死に生きている!
気付けば書類整理なんてやらず、君ばかり気に掛けていた。
佐々木さんと2人きり。
口説くなら今がチャンスか?
しかし俺は佐々木さんすらも目に入らず、ただただ、君を見つめていた。
不思議な感情。
もしかしてこれが恋?
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