第2章

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「で、でか…。」 フェイトが目を真ん丸にして言う。 シオンとフェイトの目の前には大きなアーケードがあり、それをくぐると立派な庭が広がっていた。 季節は春。 庭には新しい人々を歓迎するかのように、色とりどりの花々が咲いていた。 ここは王立ソフティア魔法学園。 シオンとフェイトが任務で入学する学園である。 今日は入学式。 学園内はどこも混雑していた。 「新入生だけでこんなにいるんだね。良い人材見つけられるかなあ?」 「フェイト、任務の事はあまり人前で口に出すな。」 昨日ギルフォードから告げられた長期任務。 その任務の内容は“人材選出・育成”である。 大まかに言えばこの学園内で魔法、武術などに長けている人物を見つけ出し、シオンを隊長、フェイトを副隊長とする学園直属部隊を作る。 一言で言うと、学園を防護する部隊だ。 これが二人に与えられた任務である。 任務にあたって、シオンとフェイトは落ちこぼれとして過ごす…はずだった。 その証拠として、シオンは特注品の魔力抑制の指輪を二つピアスを二つつけ、フェイトは指輪とピアスを一つずつ付けている。 しかし…二人の魔力は未知数である。 なんせ、魔力計測機が爆発するぐらいなのだ。 フェイトよりシオンの方が魔力が桁違いに多いことだけしかわからない。 指輪は20000の魔力を抑え、ギルフォードが特注で作らせたこの世で1番強い魔力抑制器具であるピアスは、実際に抑えられる数値はよくわからない。 高等部1年の平均魔力は3000、多くても4000が良いところである。 …が、シオンは6000、フェイトは5500までしか抑えられなかった。 多く身に付ければその分魔力を抑えられるが、これ以上器具をつけると身体に異常をきたす可能性があるため、断念。 ・
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