44人が本棚に入れています
本棚に追加
「次、シオン=レグナード。」
リョウから呼ばれたシオンは黙って水晶玉の前まで行く。
「水晶玉に手をかざして魔力を流せ。魔力数値と属性が出てくる。」
「(水と光の魔力だけ流す…。)」
シオンは水晶玉に手をかざして、水と光の魔力だけを上手く練り、水晶玉に流した。
すると、水晶玉の色は半分水色、半分金色に変化し、真ん中に“6000”という数字が浮かび上がった。
騒がしかったクラスが急に静かになる。
リョウは唖然としてシオンを見る。
「先生、戻っていいですか?」
シオンは皆の驚きを無視してリョウに聞く。
「ん?…あぁ、戻っていいぞ。」
リョウがシオンに返事をした途端、クラスが騒がしくなり、シオンに視線が集まる。
そんな中、フェイトはニヤニヤしながらシオンを見ていた。
「(…うっとうしい。)」
シオンは無表情で席に戻った。
「お、お前ら静かにしろ。」
動揺から戻って来たリョウが騒がしいクラスに呼びかけると、クラスは静かになる。
「とりあえず、今日このあとは放課後だ。寮へ行き、部屋を整理しろ。
明日は一日魔法学だから、何も準備いらないからな。
じゃ、解散。」
解散の声がかかるとまたクラスが騒がしくなる。
「あ、シオンとフェイトはちょっと来い。」
リョウはドアを出る直前、振り向いて言った。
「《あーあ、お呼ばれしちゃたねえ。》」
フェイトはニヤニヤしながらシオンを見る。
「《五月蝿い。さっさと行くぞ。》」
シオンとフェイトはリョウの後に続いて教室を出た。
クラスがいっそう五月蝿くなったのは言うまでもない。
.
最初のコメントを投稿しよう!