第2章

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「次、シオン=レグナード。」 リョウから呼ばれたシオンは黙って水晶玉の前まで行く。 「水晶玉に手をかざして魔力を流せ。魔力数値と属性が出てくる。」 「(水と光の魔力だけ流す…。)」 シオンは水晶玉に手をかざして、水と光の魔力だけを上手く練り、水晶玉に流した。 すると、水晶玉の色は半分水色、半分金色に変化し、真ん中に“6000”という数字が浮かび上がった。 騒がしかったクラスが急に静かになる。 リョウは唖然としてシオンを見る。 「先生、戻っていいですか?」 シオンは皆の驚きを無視してリョウに聞く。 「ん?…あぁ、戻っていいぞ。」 リョウがシオンに返事をした途端、クラスが騒がしくなり、シオンに視線が集まる。 そんな中、フェイトはニヤニヤしながらシオンを見ていた。 「(…うっとうしい。)」 シオンは無表情で席に戻った。 「お、お前ら静かにしろ。」 動揺から戻って来たリョウが騒がしいクラスに呼びかけると、クラスは静かになる。 「とりあえず、今日このあとは放課後だ。寮へ行き、部屋を整理しろ。 明日は一日魔法学だから、何も準備いらないからな。 じゃ、解散。」 解散の声がかかるとまたクラスが騒がしくなる。 「あ、シオンとフェイトはちょっと来い。」 リョウはドアを出る直前、振り向いて言った。 「《あーあ、お呼ばれしちゃたねえ。》」 フェイトはニヤニヤしながらシオンを見る。 「《五月蝿い。さっさと行くぞ。》」 シオンとフェイトはリョウの後に続いて教室を出た。 クラスがいっそう五月蝿くなったのは言うまでもない。 .
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