第2章

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シオンとフェイトが連れて来られたのは… 「理事長室?」 「あぁ。…理事長、二人を連れて来ました。」 ドアをノックして理事長室の中に呼びかける。 すると中から、どうぞ、と返事があった。 リョウはドアを開け中に入る。 シオンとフェイトも続いて中に入った。 「ブライン先生ありがとうございました」 威厳のある机の向こう側に腰掛ける女性は、有無を言わせぬ声でリョウに言う。 それが分かっているのか、リョウは失礼します、と言って、チラッとシオンたちに一目置いて出て行った。 目の前の女性はそれを見届けたあと、シオンたちの方を向いた。 「初めまして、私がここの理事長である、メアリー=アトリックスよ。二人ともそこのソファーに腰掛けて」 理事長もといメアリー=アトリックスは20代前半で若く、深緑色のふわっとしたロングヘアーに同じ色の切れ長の目が特徴的な女性だ。 凛とした声には有無を言わせぬ威厳があり、彼女の美しさを一層際立たせている。 シオンとフェイトがソファーに腰掛けると、メアリーは指を鳴らした。 カチャ、と音が鳴ってシオンたちの目の前のテーブルに紅茶が出てくる。 「どうぞ、飲んでいいわよ。……さて、取り敢えずお二人は銀薔薇所属の舞姫と銃士でよろしいですね?」 急に口調が変わったメアリーに、二人は別段驚いた様子も無く頷いた。 .
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