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「とりあえず、お二人がこの学園に入学した理由――…。一つ目は、今年から高等部が義務教育となったから。これはこの国に住む以上仕方の無いことです」
そう言って、メアリーは手元の資料に目を落とす。
「二つ目の理由、この学園直属部隊を作るため…。これはどういうことか、説明していただけますよね?」
メアリーが資料から再びシオンたちに目線を戻す。
その瞳には、どことなく怒りの色が見え隠れしていた。
シオンはその言葉に軽く頷くと、口を開いた。
「まず、何故魔法を習っている、言わば発展途上の生徒…しかも子供で部隊を編成するのか。
理由は…銀薔薇だけでは、学園警護まで手が回らなくなってきたからだ」
メアリーの目を見て、シオンは淡々と話す。
「…それはどういうことですか?」
メアリーは訝しげな顔をしてシオンに先を促した。
「これはまだ公にはされていない極秘情報なんだが…。最近、魔物の異常発生が頻発している。
…多いときには一カ所に数万の魔物が発生したこともあった」
シオンは腕を組み、長い足を組み直す。
「さらにその頻度も増え、今銀薔薇の部隊は殆ど出払っている状態だ。
そこで、学園通学の命が下っている俺達が、学園警護にあたる事になった」
そこで一旦口を閉じ、紅茶を一口飲む。
その間、フェイトが後を引き継いだ。
「でも、この学園人数とても多いですし、俺らだけじゃ生徒は守りきれません。
そこで、学園内に二つ部隊を作ることにしたわけです」
「…二つ?」
聞いてないけど、とでも言いたそうな顔でメアリーが聞き返す。
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