第1章

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部屋を出たシオンは、転移、とつぶやいて自分の部屋に移動した。 ローブを脱いでハンガーに掛ける。 シオン―…本名シオン=レグナードは銀髪で青い瞳を持つ、一言で言えば美しい少年である。 微笑みがとても似合うであろうシオンは、しかし限られた人にしか微笑むことは無い。 時計をみると午後11時55分。 シオンはシャワーを浴びようと準備をする。 左目から何かを――…青のカラーコンタクトを外す。 シオンの左目は、燃えるような紅だった。 紅い瞳があらわになると、シオンの目に悲しみの色が浮かんだ―…が、それも一瞬のことでさっさとシャワーを浴びる。 数分してシャワーを浴び終わると直ぐに着替えてベッドに入り、浅い眠りについた。 翌朝、シオンは何となく目が覚めた。 「(嫌な予感がする)」 時計を見てみると、午前6時ちょっと前。 仕事開始まであと1時間はある。 あと30分寝ていられるのだが、目が覚めてしまったので仕方なく仕事の準備を始める。 着替えなどを済ませ、朝食をとる。 ちなみに今日の朝食は、パンと海藻サラダとブルーベリーティー。 無言でパクパク食べていると、急に念話が入ってきた。 「《シオン、おはよう。起きているかい?》」 昨日の書類の山の声。 「《あぁ、おはよう。起きてる》」 シオンは何となく無視したい衝動に駆られたが、仕事だったら大変なので仕方なく答える。 「《そうか。じゃあ、すまないが早急にこっちに来てくれないか?》」 「《…了解した》」 そこで念話は途切れた。 急いで残りのブルーベリーティーを飲み干し、歯を磨いて昨日着ていたローブを身に纏い、転移で部屋のドアの前に来た。 .
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