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「どうするつもりだ?」
先に玄関に到着していたポニーテールの少女は、ドア付近に壁だったものの破片やらを集めていた。
それを見て幸斗が疑問を投げかけた訳だが、ポニーテールの少女はクスっと笑って両手の平を外に、正確には玄関のあった場所に掲げた。
「構造物質把握、視覚データから破損個所を検知、修復個所を設定、修復用ナノマシン放出します」
言葉の約数秒後、手を掲げていたポニーテールの少女が、手を下ろした。
しかし特に何か起こる訳でも無く。
「なんだ、何も起きないじゃ――」
と、幸斗が言い終わらない内にそれは起こった。
外れたドア、破損した壁、その端からまるでビデオを巻き戻すかのように、傷口にかさぶたが張るかのように、壁やドアが少しずつ元の姿を取り戻していった。
そして数十秒後には吹き抜けから、元通りの玄関へと姿を変る。
「そんな馬鹿な事が、あるもんだな、おい」
しかし足元にはポニーテールの少女が集めた瓦礫や、壊れたドアが確かにある。
幸斗が後から聞いた話だが正確には‘直した’というより全く同じ物を‘作った’のだそうだ。
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