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映像に映し出されたガイノイドは確かに従来に比べて人間らしく作られているように見えた。
しかしどう足掻いても科学の限界なんだろうか、それでもロボットらしさは消えてないようにも見えた。
白い肌に入ったライン、形式番号、瞳のない眼。時折発する機械音声。
「さしもの爺さんでもこの辺りが限界なのかねぇ」
そんな落胆とも取れる言葉を呟く幸斗。
リモコンのボタンを押しチャンネルを変えていくも土曜日の朝だ、特に面白い番組もやっていない。
チャンネルが一周し再びニュース番組が映し出された。
「しゃあねえ、宿題終わらせるかな」
ため息をつきテレビの電源を切ると、幸斗はソファの横に立て掛けていた鞄の中からノートとプリントを取り出し、シャーペンを握った。
幸斗は別に勉強嫌いではない、むしろ良い暇つぶしになるから好きな位だ。
今日は出掛ける予定もないようだ、幸斗は数十分掛けて宿題を終わらせると、ソファに寝転がり二度寝を始めた。
それから何時間が過ぎただろうか、突然、インターフォンの電子音が家中に鳴り響いた。
「んだよ、人が気持ち良く寝てるってのに」
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