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三十分程でボックスを組み立てて、四十分程車を走らせると大きな街にあるパスタ屋に着く。
駅も近い為に雑居ビルが立ち並び通りには様々な店が見える。
「ふぅ~ん、賑やかな街だね」
「県庁は隣街だけどね」
車を停めて店に向かう。通りに面したビルの一階だが、入り口が奥まった所の為に見落としがちである。
Pastasciutta.unoの小さな看板が表にあるのが唯一の目印だ。
「いらっしゃいませ」
扉を開けると奥からオーナーの声が聞こえてくる。
「はい、お先にどうぞ」
「ありがとう」
店員に案内されて席に着く。
メニューには色々な種類のパスタや肉料理、グラタンやサラダがある。
「お薦めは何かあるの?」
「どれも美味しいし、ケーキとシャーベットも絶品だよ♪」
「ケーキの美味しいのをニコニコしながら話してるのって女の子みたい」
などと話しをしているとオーナーがやって来る。
「イカスミをまた始めたので良かったら」
「じゃイカスミといつものを一つと…」
亜璃紗を見るとまだメニューと格闘していた。
やや間を於いてから亜璃紗も決まった。
「ベスビオのパスタを一つとバナナのタルトで」
「ではタルトは食後にお持ちしますね」
そう言うとオーナーは奥に入って調理に取り掛かる。
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