死後のルール

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「はい」 と答え、僕は女の子に聞いてみた。 「名前は何ですか?」 女の子はまた微笑みながら 「斉藤友美だよ」 良い名前だぁと関心していたら 「じゃあよろしくね。純」 と手を出して来た。 僕は凄い緊張して心臓が大きく鼓動を打った。 何故なら僕は女の子に触れた事なんて生まれてから一回もない。 僕は恐る恐る手を出し言った 「よろしく。斉藤さん」 斉藤さんは何故かクスクスと笑いながら答えた 「友美でいいよぉ」 僕は顔を真っ赤にしながら 「じゃあよろしく友美さん」 友美さんは微笑みながら 「こちらこそ」 と答えてくれた。 それから二人で少し話をしていた。 何故死んだのかとか……家族のこと………学校のこと 僕は話しているうちに涙が出てきた。 友美さんはそんな僕を見て 「泣けばいいんだよ。死んでから後悔するのは誰だってあるから」 とそっと頭を撫でてくれた 泣きだしてから一時間位時が経ち涙ももう出なくなった。 友美さんは僕の様子を伺いながら 「もう大丈夫?」 と聞いてきた 本当はもっと泣いて、叫んでいたい。 だがこれ以上友美さんに迷惑ばかり掛けちゃいけないと思い 「はい。大丈夫です」 と答えた 「じゃあ本題に移ろうか」 と友美さん 「はい」 と僕 友美さんは死後の世界の基本的なルールを説明し始めた 「死後の世界は基本的に現世とは大きな違いがあるの。さっき説明したように生きている人に触れない、生きている人に声は聞こえない。ここまでは覚えてるよね」 僕は 「はい」 と答えた 「まずこの世界の基本的なルールを教えるね。」 と友美さんは僕にルールブックを見せながら説明した     ~第一条~     【現世から外れた場所に住むものは現世の物には一切関わりがなくなる】 「これはさっき説明したことね」 と言いながら友美さんは次のページをめくる     ~第二条~     【現世から外れる際に自ら外れてしまった者は三ヶ月以内に現世から魂を一つ奪い、それを魂精算所へ持って来なければその者の魂は消滅してしまう】 僕は驚いて、言葉が出てこなかった。
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