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「よう、ティア」
シルクといきなり入れ代わったブラッドが、ティアに声をかけると、彼女は一瞬目を瞬かせ、口を開いた。
「…あ、ブラッド?いきなりシルクと入れ代わるなんて、どうかしたの?」
「ん、どうかしたっちゃしたけどな(お前が(妖笑))」
ブラッドは、表面上困ったように(内心穏やかでないことを付け加え)答えると、ティアが慌てて「え!?何!嫌なことでもあった?」っと言って、オロオロし始めた。
「(ククッ、可愛い奴(笑))嫌なことではないがな…」
ブラッドは、そこで言葉を切り、赤い両目を色っぽく細めて、ニヤリと笑った。
そして、「嫌なことじゃないんだ、良かった」等と言ってこちらの様子に気付かず、ホッとしているティアの耳元に唇を寄せ、爆弾(ウブなティアにとっては)を投下した。
「なぁ、ティア。さっきの仕草(シルクにした上目遣い(無自覚))誘ってんの?」
「―――~~っっ!!?」
ブラッドの言った、“さっきの仕草”というのはわかっていないティアだったが、彼の“誘ってんのか”発言と、耳元での低音ボイスに顔を真っ赤にし、急いでブラッドから距離を取った。
すると、彼は吹き出し笑いはじめた。
「……ぶっ。あっはっはっ!!」
「ちょっ…なっ、何で笑うの!!」
「だって、おまっ…リアクション面白過ぎ…ック」
肩を震わせながら、にやける口元に手をやり、笑いをこらえようとしているブラッドを見て、ティアは怒り出した。
「ひどいっ!からかうなんて!!」
「否、からかう気は無かったんだけどな?予想外にお前の反応が面白過ぎて、つい、な(やっぱ、これぐらいじゃ気付かない…か(苦笑))」
悲しきかな、ブラッドの本当に伝えたいことは、天然のティアには伝わらなかった。(哀れな…(笑) by 作者)
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