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「ちょっΣブラッド!?」
「ん~?何だよ」
慌てるティアを気にもせずブラッドは、彼女の首筋に顔を寄せたまま、不機嫌そうに返事をした。
「“何だよ”じゃなくて、離して!!」
「えー…なんでだよ?……別にいいじゃねーか、何か減るもんでもねぇし」
「いや、私の精神力が羞恥で、今も確実に擦り減っていってるから!!」
ティアがブラッドに対して、全力でツッコミを入れた。
すると、ブラッドは不満たらたらの顔で、彼女を真っ正面からジッと見つめた。(かなり顔の距離が近い…(笑))
「ほー、自分から抱き付いてきたのにそんな事言うのか?(ムスッ)」
「あぅ、だってしょうがないじゃん!ネコ怖かったんだもん!!」
ブラッドの問いにティアがうなだれ、泣きそうになりながら答える。
すると、彼はそれに対して、意地悪な笑みを浮かべて、更に追い打ちをかけた。
「それはしょうがないが、俺はしっかり忠告しただろ?……それに、ティアのアノ抱きつきという名のタックルは結構効いたなぁ…(黒笑)」
「うぅ、ゴメンナサイ(泣)でも、わざとじゃないもん!」
「……ま、許してやるよ。しばらくこのままの体勢でいたらな(笑)」
ブラッドの提案に、ティアは赤くなり、すぐにバッ、と顔を背けた。だが、しばらくすると、彼の方をチラリ、と伺うように見た。
そして、諦めたように軽く息をつくと、顔を背けたまま、口を開いた。
「本当にそれで許してくれるなら……いいよ、別に」
ティアの返事に、ブラッドはよくない笑みを浮かべていた事に、彼女は気付かなかった。
そして、ティアはこの時の事を、すぐに後悔することになるなど知るよしもない。
あとがき→
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