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男の声が空気に溶けて消えた頃、
背後から足音が聞こえた。
「―――ペルソナ」
足音の主は、男を見て呼びかける。
男の名はペルソナというらしい。
「任務は終わったのか」
男――ペルソナは足音の主に向かって尋ねる。
しかし、その問いは有無をいわせないもので、足音の主の答は1つしかない。
「・・・・・・あぁ。
黒ネコが、少し暴れすぎたが」
ペルソナは足音の主の答を聞いても顔色一つ変えない。
踵をかえして、先程少女が降りていった階段とは違う階段へ向かう。
足音の主もペルソナには見向きせず、
ペルソナが降りていった階段とは違う、少女が降りていった階段へ向かう。
足音の主とペルソナがすれ違ったとき、ペルソナは足音の主に声を掛けた。
「ご苦労、黒鷹。
次の任務は、後日追って連絡する」
黒鷹と呼ばれた足音の主は、忌々しそうにペルソナを背を見て、舌打ちをして階段を降りていった。
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