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『なんか、黒い人』
あたしの具体的さの欠片も無い人物に思い当たる節があったのか、み-ちゃんの顔が更に曇る。
「まさか、ペ―――
「杏樹じゃん!!!
お前もこれからどっか行くのか??」」
み-ちゃんは何か言おうとしていたみたいだけど、それは突然後ろからやってきた安藤の声に掻き消された。
安藤の両隣には、美咲とメガネをかけた可もなく不可もなくな顔の人がいる。
そういえば、昨日教室でも安藤の近くにいた。
『セントラルタウンってとこに行く予定。
後ろのメガネ君、なんていう名前??』
「・・・・・・安藤、僕の言葉遮んないでよ??
あぁ杏樹、彼は特力の人で「こいつはメガネって呼んでくれっ!!!」」
安藤がまたみ-ちゃんの言葉を遮った。
メガネとかいう人は、何かを悟ったような諦めた顔で遠くを眺めている。
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