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エヒャギャガャッ!!ガャギャャ゙!!
ボルターが耳にキーンとくる声を出し、一瞬目を閉じた瞬間にボルターは剣次くんの目の前にいた。
「剣ッ・・・ッ!」
見た目では三十代の男に見えたが、その拳は床を軽々と砕いた。
「グジュ・・・たのじィぃい!ォ゙ォ・・ォ腹すいだァぁあ!」
私は砂ぼこりの中、剣次くんの安否も分からないまま 恐怖で後退りしていた。
グルルル・・・
「ヒッ!・・・」
い・・犬!
私は唸り声のする方にとっさに持っていた銃を向け、構えた。
ど・・どこに。
私が周りを警戒し中腰になり 引き金に手をかけた・・・
ガッ・ジュ!
一瞬だった。
犬が見えたと同時、犬の頭に鉄パイプが突き刺さり、その上には黒いフードを被った白木と 呼ばれていた人が立っていた。
「いだァぁあぁあ゙ぃィい!・・・ア゙ッ・・」
ドォン!
犬が見えた約五秒━ボルターの痛がる声 銃声が響き、静寂になった。
白木が香織に近寄る。
「・・・・・立てる?」
「あ・・ありがとう・・ッ!・・うゥゥ!」
グロテスクなものを見た上に、白木の血の付いた手に吐き気がする香織。
「香織ちゃん!大丈夫だった!?白木!シャッターお願い!」
「・・・・・・・」
自分の血の付いた手を見つめ、動かない白木。
「白木!」
「ッ!・・・・・了解」
ハッとしたように白木くんは砂ぼこりの中に入っていった・・・
同時に剣次くんの姿も見え
剣次くんの目線の先には人の姿になった先ほどのボルターが倒れていた。
「悪い・・・」
そう言って、剣次くんは両手を合わせていた。
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