偽りの人

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三階中央ロビー。 「そう言えば!香織ちゃんは一条と同じ高校に通ってるんだよね」 「は!・・はい・・・・・」 ち・・近いですよ~ 雑談途中にいきなり大きな声で 顔を近づけて言う凛さん。 「ずいぶんと一条に気に入られてるみたいだけど~・・・・・・ どんな関係?」 興味がありますという目でジーっと見てくる凛さんに、後退りしながら視線をそらす。 「どんな関係って・・・・・ 一緒のクラスにいるだけですよ・・・」 「ズバリ!付き合っている!」 凛さん全然聞いてないー!! 「いいじゃんいいじゃん。別に女同士なんだし、いまは無線も受信だけだから聞かれる心配はなし!」 「本当に何もないです!・・剣次くんは・・・ただの友・・・・・ッ、 ・・・・・・・ただのクラスメイトですよ。それにいまはそんな話より━━━」 私にとって剣次くんは本当になんなんだろう。 私の憎んだ相手の彼氏を・・・私は友達って呼べるかも分からない・・・ 剣次くん自身、友達とは思っていないと思う。 でも、本当に憎いか?と聞かれたらそういうわけでもないのかもしれない・・・・ でも私の心の中には、風化せずにいつまでも残ろうとしている憎しみがある。 ・・・・・、いまは・・・とりあえず 現代(いま)を生きるしかないんだよね。
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