彼と彼女と俺、桜

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「ちゅーとか、したっていいじゃん…な?」 ちゅー、すなわち接吻イコール、キス 「そりゃ別にしてもいいと思う」 「なにその淡々とした言い方」 お前はおれにそーいうの湧かないの?とため息を吐くキョウ じゃあやっぱ無理なんだよ、 なにが無理なのか俺にはわからない 「よくわかんないよ、それ。だいたい俺はお前を好きなのに、無理とか何?何が無理?」 「おやおや、痴話喧嘩なの?」 「ソウ」 入り口に立ち、俺を見てキョウを見る キョウは不貞腐れたように唇を尖らせている 「なんで喧嘩してんの?」 「なんかキョウが俺とは付き合えないって」 「そんなの言ってねえじゃん」 「あらら別れ話?」 「ちげえって!…おれと付き合ってもいろいろ我慢ばっかだから無理なんじゃない、ってこと」 「だーかーらー無理とかよくわかんないんだって」 「キョウはちゃんと好きなんでしょ?」 「…うん、」 「でも我慢が多くて楽しくないの?」 「おれはそうじゃないけど、そうなるかもじゃん?」 「俺は別にんなことないけど?」 「まーでも確かにカップル的なことしないよね、君ら」 「そう!おれはそれが言いたい」 「しないのはキョウじゃその気にならないってことだから?」 「そー思ってんじゃないのー?だって巨乳のが好きらしいし」 「へえー…」 双子が冷めた目でこちらを睨む 「そういう意味じゃないって!」 あわてて弁解するがキョウはソウを味方につけたようだ 「要はキョウにもっと欲情してもいいんだよって話だよ」 ソウがかなり適当なまとめ方をして、俺と味方の筈のキョウも納得できなかった 「じゃ、帰ろっか?」
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