1人が本棚に入れています
本棚に追加
あの祭りの日はたくさん人が居て
背のあまり高くない双子を
見失わないように気をつけていたのに
気付けばキョウが居なくなっていた
その時にソウは俺の浴衣を掴んでこっち、と来た道を戻りはじめた
キョウに電話してみたが騒音により
着信音に気付かないのかキョウは出ず、
とにかくソウの行く道をついて行った
迷いもなく前を歩くソウは
まるでキョウと糸で繋がっていて、
それを引き寄せるように
ずんずんと歩いていた
案の定キョウはすぐに見付かり、
橋の欄干に凭れるように立っていた
その橋は出店の影に掛かっていて
薄暗くて見にくいところだったのに
ソウは響也、とキョウを見据えて言った
それに応えるように奏子の名前を呼んでから俺の名前も呼んだ
最初のコメントを投稿しよう!