彼と彼女と俺、桜

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あの祭りの日はたくさん人が居て 背のあまり高くない双子を 見失わないように気をつけていたのに 気付けばキョウが居なくなっていた その時にソウは俺の浴衣を掴んでこっち、と来た道を戻りはじめた キョウに電話してみたが騒音により 着信音に気付かないのかキョウは出ず、 とにかくソウの行く道をついて行った 迷いもなく前を歩くソウは まるでキョウと糸で繋がっていて、 それを引き寄せるように ずんずんと歩いていた 案の定キョウはすぐに見付かり、 橋の欄干に凭れるように立っていた その橋は出店の影に掛かっていて 薄暗くて見にくいところだったのに ソウは響也、とキョウを見据えて言った それに応えるように奏子の名前を呼んでから俺の名前も呼んだ
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