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彼と彼女と俺、桜
桜の花がまだ初々しい高校一年生を迎えるころ、
俺はようやく高校生活にも慣れた二年生に無事進級した
そんな時に高校では珍しい転校生がふたり、やってきた
その時の始業式の騒つきは今でも思いだせる
そのふたりは双子、しかも男女
双生児に関する知識が乏しい俺でも
一卵性はそっくり、二卵性はちがいがあることくらいは知っていた
知っていると言ってもそれくらいのもので、
一卵性の男女がごく稀にしか生まれないと知った時は思わず鳥肌が立った
なぜだか解らないが俺は、
奇跡というものを初めて目にした実感が湧いたのだ
反転したように同じ顔が並ぶその双子を見たときに、
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