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中では栄太郎を中心にして塾生らが集まっていた。
松陰先生も興味深かげに栄太郎の前にある“何か”を見ている。
「何やってるんですか?」
「栄太が面白いモノを描いているんですよ」
喜助が中に入り込んでみると、松陰先生がくすくすと笑って答えた。
「これがなかなか的を射ていてね」
「面白い物?」
「……絵か?」
晋作も喜助同様に近づいて栄太郎の机を見てみると、何かが描かれてあった。
鼻輪の付いてない暴れ牛、裃(かみしも)を着けた坊主、木刀、棒きれが描かれてある。
「何だこの絵?」
「何か意味あるの栄太?」
「これは人物評価だよ」
得意気になって栄太郎は晋作と喜助を見やった。
「「人物評価?」」
「松陰先生が俊輔にやっていたのを真似してみたんだ」
名指しされた松陰と俊輔は心当たりがあったので、…あぁ!と言って反応した。
栄太郎は描いた人物評価の絵を晋作に見えるように出して、ある絵を指差していい放った。
「ちなみにこの暴れ牛は高杉さんね」
「んだと!?」
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