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焼け落ちた教会の前で一人佇むフリック、数日前までは確かにこの場所に教会が聳え立っていた。
だが、先日の事件で細川忠興により教会は焼き打ちされてしまった。
忠興は、この件に責任を感じ何度もフリックの元へ謝罪に訪れた。
そんな忠興を、フリックは快く許した。
何故なら、本来ならば主君である羽柴秀吉がキリスト教の弾圧を始めた時点で布教活動を禁じられていてもおかしくはない。
だが、今日まで布教活動を許されていたフリックからすれば、これ程有難いことはないのだ。
だがそれは道理の問題。
感情的にいえば、今まで毎日この教会を拠点に布教活動をしてきたものだから思い入れや愛着が沸かないはずがない。
その想いが、教会が焼け落ちた後でもフリックを毎日この場へ足を運ばせている理由だった。
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