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そして出発の日、フリックはメーデをはじめ他の宣教師と共に利綱達の元へ挨拶に出向いた。
利綱
『本当に警護の兵は付けなくて
もよいのか?』
フリック
『はい、そこまで御世話になる
訳には参りません。利綱様、
皆様、今日まで本当にありが
とうございました。この御恩
は必ず御返しします』
宣教師一同、利綱達に深く頭を下げた。
一昨日はあれ程怒鳴り散らしていた忠興も、いざ別れの日ともなると哀しげな表情を浮かべていた。
同じ信者で見送りに来ていたガラシャやマリアは涙を流していた。
小町
『もー!皆してしんみりしちゃ
ってー!これが今生の別れじ
ゃないんだしさ!笑顔でお別
れしよっ・・・』
明るく振舞う小町であったが、涙を抑える事ができなかった。
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