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利綱
『お待ち下さい。行長殿』
行長
『なにか?』
利綱
『行長殿がここにこられたとい
う事は、秀吉様に叛意を抱い
ていると?』
行長
『違う!私は秀吉様を裏切るつ
もりはない!だが・・・』
利綱
『キリスト教も裏切れない
と・・・?』
行長は利綱に心の内を看破され、観念したかのように全てを吐きだした。
行長がこれ程までに悩んでいたのは先日の秀吉が畿内でキリシタン大名を一人処刑したという一件があるからであった。
このキリシタン大名とは、行長が常日頃から交流があった大名であり、処刑されてからは明日は我が身と気が気じゃなかった。
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