第三章

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 最初は左腕の手首にしかなかったこの紋様が、今や背中を埋め尽くし、右腕の肘の部分まで広がっている。  この紋様は、呪いだ。  自分のせいで人生を捻じ曲げられた者たちからの、呪いの言葉だ。 「…この文字が、読めなかったら良かったんだけどな……」  そう、盟子は悲しげに呟く。  けれど首を振り、立ちあがってバスルームを出ようとした、刹那。 「……ッッ!!」
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