第三章

12/16
前へ
/160ページ
次へ
リビングには、凛と蓮だけが座っていた。  凛は、ソファに体育座りをしてじっとしている。  蓮はというと、ものすごい勢いでボタンを押してゲームをしている。けど本人はそんなに必死ではないらしく、たまにあくびをしたりしていた。  凛は、蓮を見つめる。  亜麻色の髪を後ろで結んでいて、凛と同じオーシャンブルーの瞳。  彼は、凛と同じ顔をしていると言っても過言ではなかった。 「――…」  凛が何か言いかけた時、蓮はゲーム機から手を放して、テーブルに置いた。蓮は一つ溜息をついて、ソファに座りなおした。そこで凛の視線に気づいたのか、 「…何?」 「……っ」  一瞬、凛は言うのを止めようかと思った。けれど意を決して、言った。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加