第一章

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 どうやら小さな部屋の中の様だった。  壁は天井と同じで少し黄色くなっていて、窓は無く、ただ蛍光灯が部屋を照らしていた。これでは昼か夜なのかさえ分からず、時計を探した。けれど、時計らしきものは見つからなかった。  扉は木製で、丸い形のドアノブが付いている。鍵が付いているのかは離れていて確認できなかった。特に部屋の外を見られるような物はついておらず、完全に部屋の中と外を区切っている。  次に横を向くと、台の上に鏡が乗っていた。手鏡ではなく、写真立てのように後ろに支えがあって、上半身を起こした時の目線でも覗きこめるような角度だった。  鏡には、人の顔が映っていた。
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