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「…………そうだね、凛。こんな話はにわかに信じられないし。よし、続きを話すから、口を挟まないで聞いてて。蓮、あんたもよ」
それに蓮は適当に返事をする。
そして、私は話し始めた。
「私は、村に住んでいたの。けれど、他の村人から迫害されていた。……悪魔の堕とし子、だってね。」
私は左の手首を指さした。
「……手首に、真っ赤な紋様があったから。擦っても擦っても落ちない、この紋様のせいで私は悪魔と呼ばれたの。今思えば自殺すればよかったのかもしれない。でも、その頃の私はまだ小さかったからね、そこまで頭が回らなかったみたい」
「……」
凛は苦しそうな、悲しそうな顔をして、俯いていた。私はほっとする。彼女は、私の事を拒絶しない。
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