第四章

7/12
前へ
/160ページ
次へ
凛は、優しいわね。人の事で悲しい顔をできるなんて。 「それで、一ヶ月くらいたったかな。異変が起こったの。  まずは大雨。そして日照りが続いた。村の作物が育たなくなったの。作物が育たなくなって、生計を立てるのが難しくなった村人は、これを誰かのせいだと決めつけようとした。で、私のせいになったの。  『悪魔の堕とし子が、私達を殺そうとしている』ってね。  そして、山の神に、『どうか我らを御救い下さい』って、生贄を差し出した。  ――その生贄が、私。  私は山の奥にそびえる千年樹に縛り付けられ、神の生贄になった。でも、村人はただ私を殺したかっただけなんだと思う。私は村人を憎んだ。怨んで、怨んで、怨んで、怨み続けて一週間がたった」
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加