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「あ、あの、私…何て言ったらいいか分からないんですけど……私でよかったら、ずっと傍に居ますからっ……心を折らないでください。
私、何となくわかるんです。ある日心が折れて、それで出会った『あの人』に、記憶を消されたんだって。『あの人』は私を慰めてくれたのに、私は勘違いしてその人を好きになって…
その時の私は、とにかく誰かと関わりたかった。誰かに触れてほしかった。そう思うあまりに、選択を間違えたんです。
でも、今の私の傍には、笑顔で語りかけてくれる人が居る…例え笑顔でないとしても、それでも私の傍に居てくれる人が居る……
それは、盟子さんにとっても同じだと、覚えておいて下さい。もしも私が死んでも、盟子さんを信頼していた、仲間だと思っていた人がいたって、覚えていて下さい……」
振り返れなかった。ただ、ただ、目から涙が溢れるだけだった。私はできるだけ涙声にならないようにしながら、小さく
「…………ありがとう」
そう言って、リビングを出た。
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