第一章

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 名前は鏡音 凛(かがみね りん)。半年くらい前に14歳になった。この部屋は、自分の部屋だろうか?  ――そう、考えた時。 「痛っ…!」  ずきりと、鋭い痛みが頭を襲った。別に誰かに殴られた訳ではなかった。むしろ頭痛に近い。しかしそれよりも遥かに痛かった。  けれどその痛みは一瞬で、すぐに元に戻った。 「…何だったの? 今の」  凛は首を捻った。突然の激痛――偶然という訳ではないだろう。  もしかしたら既に外傷を負っているのかもしれない、と思い頭を触るが、異常は無かった。 「何か病気抱えてたっけ…?」  そう呟いて記憶を遡ろうとするが、
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