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女が髪を乾かし
珈琲も人肌に冷めた所
さて、何をしようか
というより何をすればいいのか?
どこから来たのかも分からない見ず知らずの女を自分の家に入れてしまった、俺。
ただのお節介なのか、それともほんの少しだけ下心があったのか、本当に何がしたかったのか分からない
「もしかして誰か待ってましたか?」
「あ、いえ。そういう訳じゃなかったんですけど…」
「けど?」
女は少々躊躇いながらも控えめに呟いた
「実は、家出というやつです」
「…失礼ですがお年は?」
「22になります」
あんたいい年して何やってんだ
「そうですか…くれぐれも御実家の方々に迷惑だけはかけないようにして下さいね」
「本当、すいません」
俺が女に向けて溜息を吐いた時、昨日の夜途中止めにしていた仕事があった事を思い出した
「すいませんが私はまだ仕事が残っているので少し席を外します。トイレはこの部屋の隣にあるので遠慮なく使って下さい」
俺は重たい腰を上げた
「あ、はい。雨が止んだらすぐ出て行きますのでご迷惑をおかけしますっ」
女はそう言って乾いたばかりの頭を勢い良く下げた
雨はいつ止むかも分からないのに…これは厄介な事になりそうだ
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