25人が本棚に入れています
本棚に追加
リーナ(M)
「三年前の大戦。それは、何年にも渡って虐げられてきた、奴隷同然の扱いをされてきた、《移星民》と呼ばれる人々の復讐だった」
「彼らは虐げられる中で着々と報復の準備を進めていた。そして秘密裏に造られたのが、戦闘凡庸兵器、通称【JA(ジェイエー)】と呼ばれた機械兵器。つまりはロボットのこと」
「この星に存在する特殊な金属から製造されたこの機械兵器の力に、アルフィネの民達は圧倒された。当然と言えば当然か、それまでアルフィネの民は戦う術をほとんど持っていなかったのだから」
「しかし、アルフィネの民達も黙ってはいなかった。彼らもJAを製造、量産し《移星民》に立ち向かったのだ」
「これが三年前に引き起こされた、後に『移星民団戦争』と呼ばれる大戦争の始まり」
「当時、学生だった私はこの戦争に巻き込まれ……戦うことになった。でも、戦うことを選んだのは私の意志だ。少なからず、私の両親が関わっていたから」
「闘いの中で色々な出会いと別れ、すれ違いを繰り返して、私は戦争の悲しさと愚かさを知った」
「だからこそ、今の私がいる。戦争を二度と起こさないために、あの悲しみを繰り返さないために」
「そして何より、運命を共にした彼女との約束のために」
「しかし、その呼び出しが、新たな戦いの幕を開けるベルだったことを、あたしはまだ知らなかった」
最初のコメントを投稿しよう!