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「俺がやめろって言ってんだからやめろよ!」
「嫌だ! 絶対にやめないッ!」
コウジの言いなりになんか、なるもんか。
私は何もヤマシイことなんてしていない。
ケータイ小説を、書いてるだけなんだから!
「それなら、俺が代わりに退会させてやる!」
「ちょっと、やめッ……」
コウジは、拒む私の腕を掴み、握りしめているケータイを私の手から強引にはがそうとする。
「やめて! 離してッ!」
「うるせェ! お前が離せ、……よッ!」
無理矢理、ケータイを奪い取ったコウジは、空いた手で私を突き放し──
「あ」
──押されて後ろに倒れる私が、リビングとキッチンの間にある僅かな段差に、後頭部を強く打ちつけるのを、見た。
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