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「とことん自由を奪って、束縛しろって、アサミが言うから……」
……アサミ。
「アサミ? おい、ちょっと待ッ……」
アサミアサミアサミ。
どこかで会ったことのあるような気がする名前、
だと、思ったら……。
「クソッ」
……ああ。
思い出した。
あの女か。
「…………」
アサミに、一方的に電話を切られたらしいコウジは、もう一度、ケータイを耳にあてて、電話をかけているが──
「……チッ」
──何コール、何十コールしても、相手が出ることはなかった。
それからまた、コウジは部屋の中を歩き回り、そして何かを決したような顔つきになり、パジャマを脱ぎ捨てて、着替えを始めた。
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