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それは、複数の人物からコメントされたものではなく、ある一人の人物──『アサミ』によって、書かれたものだ。
アサミ。
アサミアサミアサミ。
着替え終わり、羽織ったコートのポケットに財布を突っ込んだコウジと、一瞬、目が合った。
「…………」
けれど、コウジは何も見えなかったかのように両眼を逸らし、私の身体を跨いで部屋から出ていった。
ガチャリ、と鍵の閉まる音がする。
続いて、離れていく足音が。
コウジ……。
好きだったのに……。
私は何も悪くないのに……。
コウジ……。
アサミ……。
なのに、アイツらは……。
アイツらは……!
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